メーカーでありクリエイター。2つの顔を持つ会社。

キラリと光る東三河の企業を紹介! Vol. 25 本多プラス株式会社

東三河は農工商バランスのとれた産業構造となっており、製造品出荷額等や農業産出額が全国的にも有数の規模を誇っています。そんな東三河を拠点に活動する魅力的な企業を取材し記事として紹介していきます。
第25弾は、愛知県新城市に本社を構える本多プラス株式会社です。
執行役員管理本部 本部長の大村 昌詳様にお話を伺いました。

事業概要を教えてください

本多プラスは、プラスチック成型品の製造・開発・デザイン・企画・販売を手掛ける企業です。
戦後すぐの1946年に本多プラスの前身となる本多セロファン工業所を創業し、1982年に現在の社名となりました。独自のブロー成型技術をコアとして、医療部品・食品・化粧品・文具・日用品等多岐にわたる容器・ケースを生産しています。本社を設ける新城市内を中心に5つの工場を展開し、関西にも生産拠点を構え、海外ではベトナムにも拠点を設置しています。企画から販売まで一貫したものづくりを実現しており、「自分で考え、自分でつくり、自分で売る」という姿勢を大切にしています。

会社の特徴やこだわり、強みについて教えてください

本多プラスの強みは、「技術と感性の融合」にあります。
具体的には、独自のブロー成型技術を有する一方で、東京・南青山にクリエイティブオフィスを構え、金型や成型技術に精通したデザイナーを擁している点が特徴です。本多プラスは、ブロー成型技術の限界を超える“パイオニア”を目指し、商品企画・デザインから金型・装置製作までを内製化することで、よりスピーディーかつユニークな提案ができる体制を整えています。
通常、プラスチック成型メーカーはOEMメーカーや商社を通じて製品を供給するケースが多いですが、本多プラスはデザイン機能を強化したことで、直接、容器を必要とするメーカーと取引することが可能となりました。現在ではデザイナーを社内に抱える企業も増えていますが、本多プラスは約20年前からクリエイティブ事業を展開し、先駆的な取り組みを行っています。その代表的な事例が、「味の素®」の携帯ストラップです。当時、味の素は若年層へのリーチに課題を抱えていました。そこで、同社の調味料ボトルをそのまま携帯ストラップにするというユーモアあふれるデザインを提案し、採用に至りました。この取り組みは高く評価され、「日本パッケージデザイン大賞2011」において金賞を受賞しました。
本多プラスは、プラスチック成型の現場を熟知したデザイナーの提案力と、ブロー成型品の開発から金型製作までを一貫して手掛ける技術力を兼ね備えています。この強みを活かし、お客様の期待を超える価値提供を目指し続けています。

最近の挑戦について教えてください

近年、本多プラスが力を入れているのは「プラスチックの生涯設計」です。
脱プラスチックの流れが加速する中、私たちはプラスチック製品の誕生からリサイクル、そしてエネルギーとして燃焼するまでの「プラスチックの生涯設計」をご提案しています。製品の企画段階から、リデュース、リユース、リサイクルを前提としたプロダクトデザインを心掛けており、多くの選択肢の中から適切な環境配慮型素材のご提案も行っております。
また、プラスチックの持つ真の魅力と価値を世界に発信するため、プライベートブランド「ame」と「CARAPPO」を展開しています。
「ame」は、環境資源である再生プラスチックを使用したライフスタイルブランドです。生活を豊かに彩る作品を、ハンドメイドで創り出しています。
「CARAPPO」は“カラッポ容器が主人公”をコンセプトに、本多プラスが培ってきた技術・デザイン力で使い捨てたくない。集めたい。使い続けたい。と思って頂けるアイテムを提案しています。

プライベートブランドについてもっと知りたい方はコチラをご確認ください。
https://www.hondaplus.co.jp/about/brand.html

東三河の魅力について教えてください

本多プラスは、1946年の創業以来、創業者・本多正造の出生地である愛知県新城市に本社を構えています。創業当初は、豊橋市が高級筆の産地であることを活かし、セロファンを巻き付けた透明な筆のサヤを販売していました。新城市に本社を置き続ける理由は、80年近くにわたる企業活動を支えてくれた地域への恩返しを大切にしたいという想いがあるからです。また、新城市は関東と関西の中間地点に位置し、新東名高速道路が通るなど交通アクセスにも優れたエリアです。そのおかげで、当社のお客様も全国へと広がり、今後も新城から世界へとビジネスを展開していく考えです。
さらに、個人的な視点から見ても、東三河は気候が温暖で、生活コストも低く、子育てのしやすい地域だと感じています。私はこれまで関西・新潟・三重とさまざまな場所で生活してきましたが、東三河は特に住みやすいと実感しています。
また、東三河は自動車産業をはじめとする製造業の集積地であり、就職の選択肢も豊富です。さらに、関東・関西の中間に位置するため、フリーランスのような多様な働き方もしやすい環境だといえます。

移住希望の方へ

移住を検討する際に、「趣味を充実させたい」と考える方も多いのではないでしょうか。私自身、ウィンタースポーツが好きですが、東三河は岐阜や長野へのアクセスが良好で、今でも雪山へ出かける機会があります。
また、新城市は現在「じてんしゃのまち新城」としてサイクルツーリズムを推進しており、自転車好きの方には最適な環境が整っています。さらに、豊橋市や田原市は海に近く、サーフィンが盛り上がっているエリアでもあります。四季を通じて、多彩なアクティビティを楽しむことができるのも東三河ならではの魅力です。
東三河は、生活コストが低く、都会すぎず田舎すぎない、ちょうどいいバランスの地域です。豊かな自然と利便性を兼ね備えた環境の中で、クオリティ・オブ・ライフの高い暮らしを実現できると感じています。

本多プラスでは、プラスチック製品の新しい可能性を切り拓いてくれる、多様な人材を募集しています。新しいことに挑戦したい方にとって、最高の環境をご用意していますので、本多プラス株式会社の求人にご興味がある方は、お気軽にお問合せください。
https://www.hondaplus.co.jp/recruit/

インタビューを通して

近年、「デザイン経営」や「デザイン思考」の重要性が高まっていますが、本多プラスさんは2006年という早い段階でクリエイティブオフィスを設立し、デザインを経営の軸に据えていたことに驚きました。
当時、プラスチック成型メーカーにデザインは求められておらず、商社や問屋を通じた取引が一般的だったと聞きます。そのような状況下で、自社にデザイナーを雇い、メーカーへ直接提案する機会をつくることは大きな挑戦だったはずです。しかし、本多プラスさんはテクノロジーとデザインを融合させた独自の提案を続け、その結果、今では誰もが知る大手メーカーとの取引も多数実現しています。
「ヒトのやらないコトをやる」という理念のもと、技術とクリエイティブの両輪で挑戦を続ける姿勢こそが、本多プラスさんの強さと魅力なのだと感じました。

※取材日(2025年3月18日)時点の情報です。

会社名本多プラス株式会社
住所愛知県新城市川路字夜燈23-2
代表取締役社長本多 孝充
HP本多プラス株式会社