マルチワークという働き方で田舎暮らしの不安を安心に

キラリと光る東三河の企業を紹介! Vol. 16 したらワークス協同組合

東三河は農工商バランスのとれた産業構造となっており、製造品出荷額等や農業産出額が全国的にも有数の規模を誇っています。そんな東三河を拠点に活動する魅力的な企業を取材し記事として紹介していきます。
第16弾は、愛知県北設楽郡設楽町に事務局を構えるしたらワークス協同組合です。
事務局長の清水貴裕様にお話を伺いました。

事業概要を教えてください

したらワークスの事業内容を一言で言うと、マルチワーカー派遣事業です。マルチワーカーとは、季節や時間によって複数の仕事に携わる働き方をする人のことを言います。
したらワークスは国が所管する「特定地域づくり事業協同組合制度」を活用しながら運営しています。「特定地域づくり事業協同組合制度」とは、人口が急減している地域において、地域産業の担い手を確保するためのマルチワーカー労働者派遣事業を行う事業協同組合に対して支援を行う制度です。
設楽町の人口は減少しており、現在4,000人程度です。人口減少を食い止める一つの手段として町内事業者の有志が設楽町役場のサポートのもとで「したらワークス協同組合」を設立し、愛知県内としては初めて「特定地域づくり事業協同組合」として認可を受けました。
現在は町内の10事業者が受入れ先となり、マルチワーカー(正規雇用職員)を派遣しております。

会社の特徴について教えてください

一つ目はしたらワークス協同組合は「職」についてのサポートを行っておりますが、住まい・教育・医療など移住する際の解決すべき課題は多岐にわたり、それらが互いに繋がっています。
移住は人生をかけた決断といっても大げさな表現ではないと考えています。移住から定住に繋げるためにも生活全般をサポートするような意識を持っています。
二つ目はマルチワークという新しい働き方によって、移住先での大きな不安の一つである、生活を維持できる収入があるか?という課題にアプローチできることです。マルチワーカーは正社員として雇われるので、住居手当や福利厚生もうけることが可能となり、安心して田舎暮らしができる環境を提供することができます。
設楽町が気になる方は是非一度遊びに来てください。働き口だけではなく、その方ごとの不安を解消できるように地域をご案内します。

マルチワーカー受け入れ先事業者紹介

2022年の設立時には5社の組合員と共にしたらワークス協同組合を立ち上げましたが、現在は倍の10社まで拡大しております。
これまで実際にマルチワーカーを受け入れていただいた3つの組合員を紹介いたします。

一般社団法人 設楽町公共施設管理協会

つぐ高原グリーンパーク、きららの里、奥三河総合センター、ふれあい広場など町内のスポーツ・宿泊施設の管理、運営。

関谷醸造 株式会社

1864年創業の老舗醸造会社。代表銘柄「蓬莱泉」など全国に知られる日本酒製造、販売を行う。糀ソフトクリームなどを販売するキッチンカーの運営。

株式会社 東名サービス(名倉カントリークラブ)

中嶋常幸プロが設計した約140万㎡の丘陵地にレイアウトされた27ホールズのゴルフ場。コース整備、ホール受付、レストラン管理などを行う。

その他受入れ先事業者の詳細はこちらをご確認ください。

マルチワーカー卒業生紹介

前田 大介さん

山間地で山を眺めながら体を動かす仕事がしたいとの希望から移住を決意。ゴルフ場、キャンプ場での草刈りや醸造所での作業を行っていただきました。マルチワーカーとして活躍しながら休日には農地を探したり、農業に関する知識を蓄え、令和5年12月に卒業。現在は地元で農業をしながら新規事業に挑戦中。

村井 李音さん

大学卒業後、地元近郊での勤務を希望しUターン。様々な仕事を経験し社会の仕組みを学ぶために勤務。キャンプ場にて接客、飲食物の提供、イベント運営などをお手伝いしていただきました。令和5年10月に卒業し、組合員企業に正社員として採用されました。

東三河の魅力について

僕は水が大好きで、水源地を求めて設楽町に来ました。設楽町は豊川、矢作川、天竜川といった東海地方を代表する大きな河川の水源地を持っています。豊橋市・田原市などの農業が盛んな地域を支える水源がある事は大きな魅力だと感じています。
また、山間地に住んでいる方との交流も楽しみの一つです。自然に囲まれた静かな場所である一方で、都会と比べるとやはり不便で難易度の高い生活を余儀なくされるケースもあります。しかし、そうした不便さなどを受け入れ、工夫しながらこの地で暮らす方々はとても頼もしく、魅力的です。したらワークスの活動を通じて、これからもたくさんの人たちと出会い、設楽町の魅力に触れたいと思っています。

マルチワーカー募集!

現在したらワークス協同組合では設楽町およびその近隣地域への移住・定住者を対象にマルチワーカーとして働いてくださる方を募集しています。

勤務形態

勤務日数に合わせて次の2通りの働き方があります。どちらも無期雇用派遣として、したらワークス協同組合の正職員になります。

週5日スタイル
1日8時間、週40時間、月21日、週休2日を基本とします。
報酬:月額20万円

週4日スタイル
1日8時間、週32時間、月17日、週休3日を基本とします。
報酬:月額16万円

勤務場所

・愛知県北設楽郡設楽町内の事業所(普通自動車免許須)
・年間2か所以上の事業所で働いていただきます(マルチワーク)。

福利厚生

・通勤手当(派遣先事業所の通勤手規定に合わせます)
・厚生年金、健康保険、雇用保険、年次有給休暇
・希望の進路に応じたキャリアアップ研修を実施します。

こんな方におススメ!

・地域から必要とされる働き方がしたい
・パート、アルバイトよりも安定した収入を得たい
・山間地でのいろんな仕事を経験したい
・正規で就職する前に社会勉強したい
・自分の夢を実現させるための準備期間が欲しい

詳細やお問い合わせはこちらをご確認ください。

移住希望の方へ

自然に囲まれた静かな場所でゆったりと過ごしたいと思う一方で、生活を維持するための収入に不安を感じ、移住に踏み出せない方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。したらワークス協同組合では働き口や収入という大きな不安に対してマルチワークという新しい働き方を提供します。
移住とは人生をかける決断だと捉えています。皆さんの決心に一緒に考え、そして寄り添いたいと考えています。
ご興味がある方はまずはお気軽にお問合せ下さい。

したらワークス協同組合事務局メンバー 左から 山田幸子、清水貴裕、加藤哲嗣

インタビューを通して

設楽町は愛知県北東部に位置し、春は山桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と一年を通じて四季の色が楽しめ、「田峯田楽」や「花祭」といった伝統的な祭事も残り、まさに山間地における理想的な田舎暮らしが体現できそうだと感じる方も多いのではないでしょうか。しかし最後の一歩が出ないのはやはり仕事に対しての不安。したらワークス協同組合が提供するマルチワークという働き方は、複数の企業を経験することができ、さらに正社員となるので、福利厚生等も受けつつ、安心して働くことが可能となります。自分に合った企業を探す方も、他に自分の夢を持っていて、その準備期間にマルチワーカーになる方もいらっしゃるとのことで、多様なニーズに応えることができる働き方だと感じました。
また、地元の方は、温かい人が多いのに、適度な距離感があり、田舎なのにあっさりしているようです。設楽町は歴史的には武田軍と徳川軍の合戦の地であり、勝敗によって入れ代わり立ち代わり主君が変わっていました。そんな歴史が関連しているのか?と感じるほどに移住してきた方を受け入れる包容力があるようなので、初めての移住、初めての田舎暮らしの方に是非お勧めしたい場所です。

※取材日(2024年9月11日)時点の情報です。

会社名したらワークス協同組合
住所愛知県北設楽郡設楽町田峯字下畑9(旧田峯小学校内)
事務局長清水貴裕
HPしたらワークス協同組合