花のまち東三河で活躍する花のプロデュース会社
キラリと光る東三河の企業を紹介! Vol. 14 HANAイノベーション株式会社
東三河は農工商バランスのとれた産業構造となっており、製造品出荷額等や農業産出額が全国的にも有数の規模を誇っています。そんな東三河を拠点に活動する魅力的な企業を取材し記事として紹介していきます。
第14弾は、愛知県豊橋市に本社を構えるHANAイノベーション株式会社です。
代表取締役の近藤 祐司様にお話を伺いました。
事業概要を教えてください
人と花をつなぎ感動をデザインする花のプロデュース会社です。「感動創造」を経営理念に、主な事業は花の流通拡大を目的とした「花プロデュース事業」と香りによる空間演出「フレグランス事業」です。
花プロデュース事業では”花男子”による花贈りパフォーマンス※のように花を用いた各種イベントの企画・立案・運営を行います。また花の新たな価値を創造するためのプロモーションや装飾・施行、法人向けの花の販売も行なっています。
新しい取り組みであるフレグランス事業では、ブランディングやオフィス環境改善のために目的に合った香りの提案や機器レンタル・フレグランス交換・メンテナンスなどを行っています。
※花男子プロジェクト:2011年からスタートした”男性が花を贈るパフォーマンス”を通じて人から人に気持ちを伝えるツールとしての花をプロモーションする取り組み
会社の特徴や拘り、強みについて教えてください
愛知県は花の生産日本一が60年続いている地域で、行政の花PR予算など仕事のチャンスが多いことが魅力です。花のプロモーションに特化することで、競合にはないノウハウや経験が得られ、さまざまな案件を安定して獲得できているのが強みです。
多くのデザイナーを抱えて花を使った新しいコンセプトのプロデュースを行なっています。
例えばモリコロパークで行われた第32回全国都市緑化あいちフェア2015では「花のない世界に花を咲かせたら、どんな世界が見えるのか」という着想で宇宙・海底・異次元といった”花のない”空間を音・光・香り・デザインによってしつらえ、トップフローリストたちが花を施したテーマパークのような花展示を行いました。
2019年には創業時からの夢であった皇室や海外の案件に携わることができました。
第70回全国植樹祭あいち2019は令和元年に現天皇皇后両陛下が愛知県にいらっしゃるということで話題になりましたが、会場の花すべてを担当しました。メインモニュメントは「万華鏡=万の花=日本一の花の王国」という想起で愛知県の木材と切り花、鏡や音を融合させて演出しています。
北京国際園芸博では日本館の中の愛知県ブースを担当し、「花」と「金魚」を融合させたモニュメントをプロディースしました。国際園芸博覧会というのはいわば”花の万博”、国際的な園芸文化の普及や花と緑のあふれる暮らし、地域・経済の創造や社会的な課題解決等への貢献を目的にいろいろな国が出展するというイベントです。
こういった実績もあって、広告代理店や旅行代理店からの問い合わせも多くあります。
最近の挑戦について教えてください
フレグランス事業が順調に業績を伸ばしており、人材を確保して営業戦略も力を入れています。イベント系の案件は長期的な売上が見通しづらく、そこが弱みだったのでストックビジネスとして売上を積み上げながら先の計画がしやすいのは嬉しいところですね。
また香りや美容は現代の若者に刺さるビジネスで、求人をかけなくても問い合わせが来て実際に採用に至っています。今のままの成長率ならどんどん拡充できる見込みです。
もともとフレグランス事業の発足はイベントで香りの演出を行なった時の強い手応えがきっかけです。ただ「いい香りである」というだけでなく、香りが人体にいい影響を与えるというエビデンスが出てきたことから「香りで働き方改革」というコンセプトを打ち出しました。
そこに反響があり、ブランディング目的だけでなく職場環境を改善したい製造業も取り入れてくれるようになりました。
また、リクルートのために香りを導入している会社もあります。似たような規模・業種があった時、会社のエントランスがいい香りでオシャレだと学生から選ばれやすいんです。
東三河の魅力について教えてください
会社としては本州の中心に位置して東京・大阪へ翌日には配送できるというのは鮮度が重要な花にとって嬉しいポイントです。花以外でも東三河には生産日本一のものが多く、ポテンシャルの高い地域だと思います。
東京・名古屋・大阪を拠点にしていますが、個人的には物価が安くて住みやすいですし都会でもない田舎でもないちょうどいいのが魅力かと思います。
バイクが大好きで休みはツーリングに行っています。東三河は穴場的に走りやすいところが多くて、例えば田原の伊良湖の海沿いや奥三河なら作手の峠〜東栄温泉がおすすめです。蒲郡方面では通称”ガマフォルニア” ”ハズフォルニア”とも呼ばれる景観のいいエリアも走れます。
土地が安いので広い土地を確保してガレージのついた一戸建ても建てやすいですね。貸しガレージだと大変じゃないですか。東三河はツーリング好きには最高な地ですよ。
移住希望の方へ
移住する方はこちらに知り合いや友達をつくるのが大変だと思います。地元の輪に入りにくいと思うかもしれませんが、イメージされてるような排他的な雰囲気とかはないですよ。
勇気をもってイベントに参加したり、コミュニティに入ればみんな仲良くなってくれます。人間関係の心配はしないで来てもらいたいです。
インタビューを通して
愛知県は1962年から花の産出額が日本一であり、東三河は愛知県の内約7割を生産しています。そんな地域の特産をうまく活用しながら活躍しているHANAイノベーションさん。10年前に設立され、花業界の課題解決のために挑戦を繰り返し続けるベンチャー気質を持った会社です。
花業界にまつわる事業を集中的に行うことによって、“花が好き”“花業界をどうにかしたい”という想いを持った社員の方が集まっているのか、皆さん楽しそうにキラキラと働いている姿が印象的でした。自社内のブランディングができているからこそ、地域外から働きたいと問い合わせが来ることも多いようです。さらに愛知県が認定する「あいち女性輝きカンパニー認証」を取得しており、子連れ出勤が可能であったり、女性の働きやすい環境作りも率先しています。
花好きの方にとっては最高の職場なのではないでしょうか。
※取材日(2024年2月15日)時点の情報です。
会社名 | HANAイノベーション株式会社 |
住所 | 愛知県豊橋市神野新田町字ワノ割93番地の3 |
設立 | 2013年7月23日 |
代表取締役 | 近藤祐司 |
HP | HANAイノベーション株式会社HP |
電話番号 | 0532-32-8787 |