新たな価値創造に挑戦し続ける高機能材料メーカー

キラリと光る東三河の企業を紹介! Vol. 09 日東電工株式会社

東三河は農工商バランスのとれた産業構造となっており、製造品出荷額等や農業産出額が全国的にも有数の規模を誇っています。そんな東三河を拠点に活動する魅力的な企業を取材し記事として紹介していきます。
第9弾は、愛知県豊橋市に豊橋事業所を構える日東電工株式会社です。豊橋事業所 所長 井田 太(いだ ふとし)様にお話をお伺いしました。

 事業概要を教えてください。

日東電工株式会社(以下、Nitto)は1918年に、第一次世界大戦で国外からの材料調達が困難となる中で電気絶縁材料の国産化を目指して創業しました。その中で培った技術を生かして電材事業や包装材事業、工業材事業と派生し、現在はBtoBビジネスを中心とした高機能材料メーカーです。

将来へ向けては電動自動車などのパワー&モビリティ分野やスマホなどデジタル技術を駆使したデジタルインターフェース分野、核酸医薬を中心としたヒューマンライフといった分野に重点を置いています。
コア技術としては接着、光学設計、表面制御、薄膜形成などです。こういったコア技術を生かして 世界シェア№1の製品を創出し続ける“グローバルニッチトップ” を常に目指しています。

その中でも豊橋事業所は日東電工のマザー工場です。全国に7事業所がある中で、豊橋は基盤機能材料事業部門の主軸である粘着テープの製造をメインに担っています。
近年では、ESGを経営の中心に据えており、化石燃料の削減や有機溶剤フリーの環境に優しい製品開発などを進めています。加えて、豊橋事業所は工場内にプラスチックの再資源化センターがあり、事業所内で発生する産廃のリサイクルに取り組んでいます。
また女性や障がい者など ”だれもが働きやすい環境づくり” を行っています。豊橋事業所内に設立した特例子会社である日東電工ひまわり株式会社は、昨年東三河で初めて「もにす認定※」を取得することが出来ました。

※障がい者雇用の促進及び雇用の安定に関する取り組みの実施状況などが優良な中小事業主を厚生労働大臣が認定する制度。
(厚生労働省HPより引用https://www.mhlw.go.jp/stf/monisu.html

日東電工の強みについて教えてください。

どの業界でも言えることですが、同じものをつくり続けていては廃れてしまいます。Nittoは、コア技術をベースにチャレンジをしながらグローバルニッチトップ製品をはじめ新しい価値を創造し、事業規模を拡大してきました。
このように “チャレンジ” が生み出す多様な事業領域や知的財産戦略、さらに幅広い業界にわたって製品を提供している顧客基盤が日東電工の強みです。
組織自体が膠着していると守りに入ってしまいます。いかにフラットでオープンな組織であるかがチャレンジを構成する要素だと思っています。
特に中途採用の方が驚くのは、役職名で呼ばない文化です。役職で呼んで上を伺うような組織では自由な発想やイノベーションは起きないでしょう。外部からもオープンマインドを褒められることが多いですね。

会社の理念について教えてください。

創業当時から連綿と続く考え方が現在のNittoグループの経営理念です。経営理念はMission(新しい発想でお客様の価値創造に貢献します。)、その実現に向けた考え方を示すVision(Creating Wonders)、さらには実践するべき価値観で形づくられたThe Nitto Wayで構成されています。

The Nitto Way の中にはNittoらしさの大きな要素である「Nittoらしい企業姿勢(驚きと感動)」「Nittoらしい社風文化(チャレンジを楽しむ)」「Nittoらしい事業(環境・人類貢献ニッチトップ)」がちりばめられており、グローバル全ての社員の判断基準となっています。

東三河の魅力について

一般的に工場誘致の際に重要視していることは「周辺地域にどれだけ産業が集積しているか」「それを支える人財育成のインフラがどれだけ集積しているのか」です。
愛知県は日本一のものづくり県です。また東三河地域は総じて技術力が高く、魅力的で地元に愛着のある人が多いですね。そんな中で豊橋は先端技術を呼び込むインフラもあるし、ロボコンで世界一となった豊橋技術科学大学があり名古屋も含めると学校関連も非常に充実していると思います。

個人としては、初任配属が豊橋で13年住んだ後にあちこちへ転勤をして5年前に事業所長として戻ってきましたが、妻は豊橋が一番住みやすかったと言っています。
海や山ももちろんのこと、少し足を延ばせば浜名湖もあり、自然の中で過ごすにはいい場所ではないでしょうか。

移住希望の方へ

やはり愛知県はものづくり県だと思っています。中小企業含め技術が集積していて、仕事を通してもいろいろな出会いがあります。地元の素晴らしい経営者の皆さんとお話をすると、新しい出会いや経験値が上がることが多いと感じています。また、技術に触れる中でいろんな知見、ネットワークが広がってくる可能性がある地域だと思います。日本一のものづくり県たるゆえですね。新しい人との出会いの中で、自分を再発見できる地域、自分の可能性を再設計できるエリアです。自分自身、この地域の経済界の人から刺激をいただき、社内外の出会いで成長できているなという実感はあります。

豊橋事業所は様々な部署で採用活動を行っております。是非自分に会った求人が無いかご確認ください。
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インタビューを通して

今回取材を通してほとんど製品の紹介を頂きませんでした。当然ですが、BtoB向けのメーカー企業の方にお話しを伺うと、大半の時間は自社製品の強みや特徴についてお話しを頂きます。ところが今回の取材はチャレンジやイノベーションの話が中心でした。
このような会社としての経験がチャレンジしやすい文化や、新しい需要を創出する姿勢に繋がっているのではないかと感じました。

※取材日(2023年9月29日)時点の情報です。

会社名日東電工株式会社
住所
(本社)
〒530-0011 大阪市北区大深町4番20号 グランフロント大阪 タワーA 33階
設立1918年10月25日
代表取締役髙﨑 秀雄
HP日東電工株式会社HP
電話番号
(本社)
06-7632-2101