他の会社がやらないことに挑戦する、廃棄物のリサイクル会社

キラリと光る東三河の企業を紹介! Vol. 03 有限会社環境テクシス

東三河は農工商バランスのとれた産業構造となっており、製造品出荷額等や農業産出額が全国的にも有数の規模を誇っています。そんな東三河を拠点に活動する魅力的な企業を取材し記事として紹介していきます。

第3弾は、愛知県豊川市に本社を構える有限会社環境テクシスです。
代表取締役の高橋 慶(たかはし けい)様にお話しをお伺いしました。

会社の概要を教えてください。

有限会社環境テクシス(以下、環境テクシス)は2005年に創業した、食品廃棄物を利用した飼料や堆肥の製造及び販売等を手掛ける会社です。そのほかにもコンサルティングや養豚事業まで幅広く食品のリサイクルに取り組んでいます。
環境テクシスが作る飼料はエコフィード(ecofeed)と呼ばれる飼料です。エコフィードとは、食品の製造過程で発生する副産物(酒粕・醤油粕・菓子やパンの切れ端・果物や野菜カットのくずなど)、余剰食品、賞味期限切れ食品(売れ残りのパン、麺、弁当、惣菜など)、調理残渣(調理に伴い発生するくず)を加工処理して作られるリサイクル飼料です。

環境テクシスの理念・こだわりについて教えてください。

経営理念としては「創意工夫をもって資源循環により新たな価値を生みだし持続可能な社会実現に貢献する」という言葉を掲げています。
「新たな価値を生み出し」という部分にあるように、他の会社がやらないリサイクルを行う事で、捨てられている物に新しい価値を生み出し、社会に貢献していきたいという気持ちで会社を運営しています。すなわち、従来餌になっていなかったものを餌にするというビジネスに積極的に取り組んでいます。
例えば、廃棄になるゴボウからエコフィードを作っているのは世界で見ても環境テクシスだけです。

廃棄物のマーケットはそこまで大きくないですが、お客さまからは必ず必要とされる重要な仕事をしています。そのような状況のもと、環境テクシスが目指す、高品質かつ低コストのリサイクルを実現させることで、リサイクル製品を使って頂いたお客さま、原料を供給していただくお客さま、環境テクシスの全てにとって良い商売、すなわち、三方良しを目指しています。

最近の挑戦や取り組みについて教えてください。

1つ目は養豚事業です。当初は廃棄物を利用した餌というと、世間からマイナスイメージを持たれることが多く、そのイメージを払拭する必要があると考えていました。低コストになるだけではなく、美味しい豚肉ができなければと考え、5年前から廃棄物、食品副産物を100%利用した養豚事業に挑戦しており、『雪乃醸』というブランドで販売しております。現在では年間約700頭を出荷し、ネット販売まで行っています。自社で餌を作り、販売まで行うことで、実証実験の場や、お客さまの生の声を取得することが可能となりました。
また、こだわりのエコフィードを使うことによって一般的な豚肉に比べ、オレイン酸の多く、脂に甘みがあり、しっとりした食感が特徴の豚肉ができました。

2つ目は新しい原料にどんどん挑戦している事です。これまでもパン、菓子、ラーメンやうどんの麺、酒粕、カットフルーツの皮等幅広い廃棄物、食品副産物に価値を生み出してきました。しかしながら世の中にはまだまだリサイクルできる廃棄物はあります。直近では中小規模のウイスキー蒸留所におけるリサイクルの仕組みづくりに取り組んでいます。近年のウイスキーブームにより蒸留所も増加していますが、リサイクルは追いついていないのが現状です。具体的にはウイスキーを製造する過程で生じる廃棄麦芽と廃液を原料にエコフィードを作っています。

このような取り組みの根底には「企業としての存在意義をどう高めるか?」という問いがあります。以前に地元スーパーの社長から「日本の豚はアメリカから輸入されたトウモロコシを食べて育っているのだから、アメリカ産の豚肉を輸入したほうが効率的ではないか」と言われ、反論の余地がありませんでした。ただ、国内で発生する食品副産物を使い、かつ、アメリカ産の豚肉と違った味の特徴があれば、日本国内で養豚を行う意義が発生します。変化の激しい現代社会で、企業・業界が存続していくためには存在意義が非常に大切になってくると考えています。企業の存在意義を高めるためにも、養豚事業や、他がやらないリサイクルに挑戦しています。

現在の課題について教えてください。

養豚事業の販売面をより強化していきたいです。
100%食品副産物から作ったエコフィードで育った豚を取り扱いたい方がいたらお問い合わせください。また、料理人とコラボして、『雪乃醸』を使った商品の共同開発等もできたら面白いと考えています。

エコフィードの製造に関しては、常に新しい原料への価値付けに挑戦しているので、食品廃棄物を活用したい会社さんとは繋がりたいと思っています。特にホットなのがパイナップルです。パイナップルは牛向けの餌としての活用が大半です。大学との共同研究の中判明したのですが、成分も良いですし、牛が喜んで食べる。何より牛乳がたくさん出るようになるんです。

インタビューを通して

今回の記事では、食品廃棄物を利用した飼料の製造や養豚事業にフォーカスしましたが、飼料販売やコンサルティングも行っています。従来飼料化が難しかった変性の早い食品廃棄物が発生するお客さまには、食品工場の中で廃棄物を加工して餌にするシステムの提案も行っているとのことです。さらにそこで作った餌を環境テクシスさんが買い取り、畜産農家さんへの販売も行っています。
エコフィードの製造・飼料販売・リサイクルコンサルティング・養豚事業と食料廃棄問題に真摯に全面で向き合っている印象を強く受けました。インタビューの途中には、環境テクシスの営みによって、日本、世界の食料生産システムを変える礎を築き、日本の社会を変えるキッカケを生み出したいというお言葉もいただきました。
リサイクルビジネスはニッチなビジネスだと高橋代表は発言されていましたが、その先に見据える大きな展開も感じる取材となりました。

※取材日(2022年11月28日)時点の情報です。

会社名有限会社環境テクシス
住所〒442-0847 愛知県豊川市白鳥町山桃5-1
設立2005年3月9日
代表取締役高橋 慶
HP有限会社環境テクシスHP
電話番号0533-87-5512